【第4回】令和8年度診療報酬改定の基本方針とは?点数だけじゃない「クリニックの必須実務」を解説
- Yuki

- 2 日前
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医療経営に関わる皆さんが最も注目しているイベントの一つが「診療報酬改定」です。 今回は、すでに国から発表されている「令和8年度診療報酬改定の基本方針」をピックアップします。
「まだ点数(改定率)がはっきり決まっていないから、具体的に動くのは先でいいや」
……もしそう思われているなら、少し注意が必要です。近年の改定は、単に「どの行為が何点になるか」を追うだけでは乗り切れません。国が示す「基本方針」という大きなメッセージを読み解き、今からクリニックのバックオフィスをどう整えるべきか、実務目線で分かりやすく解説します。
令和8年度改定の基本方針:国が掲げる「4つの大きな柱」
国が発表した基本方針には、大きく分けて以下の4つの重点領域が示されています。
1. 物価高騰・賃上げへの対応
昨今の物価上昇や、他産業に負けない「医療従事者の賃上げ(ベースアップ)」をどう実現するかが最重要課題となっています。クリニック側には、スタッフの処遇改善(給与アップなど)を適切に行い、それをしっかりと「記録・証明できる体制(証憑管理)」にすることが求められます。
2. 働き方改革とタスク・シフト(業務の共有)
医師や看護師、事務スタッフの負担を減らすための「働き方改革」は引き続き重要テーマです。単に残業を減らすだけでなく、医療クラークの活用や、ITツールの導入による「タスク・シフト(業務の移管・効率化)」を進めるクリニックがより評価される流れが強まっています。
3. 医療DXの推進と安心・安全な医療の確保
前回の「工程表」の回でもお話しした通り、医療DXの推進は診療報酬とガッチリ連動しています。 マイナ保険証の利用促進、電子処方箋の導入、電子カルテ情報共有サービスの活用、そして万が一のサイバー攻撃に備える「セキュリティ対策」の実施状況が、ダイレクトに施設基準や加算に関わってきます。
4. 地域包括ケアシステムの深化(地域での連携)
効率的で持続可能な医療体制を作るため、病院、クリニック(診療所)、薬局、訪問看護、介護がデータでつながり、地域全体で患者さんを支える仕組みの強化が謳われています。
点数改定を待たずに、今すぐ事務長が準備すべき「3つの実務」
「基本方針」の段階から、クリニックの事務長や経営陣が動ける(動くべき)具体的な実務は以下の3つです。
① 施設基準と「ホームページ(HP)掲載事項」の総点検
近年の診療報酬は、「算定したければ、自院のホームページ等で体制を一般に公開(周知)しなさい」というルール(ウェブサイトへの掲載義務)が急増しています。 医療DXの推進体制や、外来診療の機能、賃上げへの取り組みなど、自社サイトに掲載すべき文言が漏れなくアップデートされているかを今すぐ確認しましょう。
② 「証憑(しょうひょう)管理」と職員研修記録の仕組み化
厚生局による適時調査や個別指導で最も厳しくチェックされるのが、「要件を満たしている証拠(記録)」があるかどうかです。
処遇改善や賃上げを行った実績を証明する書類
サイバーセキュリティの点検を行ったチェックリストの記録
院内で定期的に実施すべき「医療安全」や「感染対策」の職員研修記録・台帳
これらがバラバラに保管されていたり、担当者の頭の中にしかなかったりする状態は経営の大きなリスクになります。
③ 医療DX(ベンダー対応)の進捗確認
電子カルテやレセコンのメーカーに対し、今後の医療DX関連のアップデート対応(標準規格への接続やセキュリティ対策など)のスケジュールと費用感を今のうちにヒアリングしておきましょう。直前になって慌てて発注すると、改定時期のシステム対応が間に合わない可能性があります。
まとめ:診療報酬改定は「クリニックの健康診断」
診療報酬改定は、2年に一度クリニックに課される「大変なイベント」に思えるかもしれません。
しかし見方を変えれば、国の最新のルールに合わせて「自院の経営体制やバックオフィス、スタッフの働き方が時代に合っているかをチェックする健康診断」のチャンスでもあります。
点数が発表されてから慌てるのではなく、「基本方針」に書かれている国のメッセージを先読みし、今から書類の整理や情報公開(HP掲載)の仕組みを整えていきましょう。
次回(第5回)は、医療機関のシステム負担を劇的に変えると期待されている「診療報酬改定DX」について、さらに深掘りして解説します。
💡 医院長・事務長向けFAQ
Q. 令和8年度改定の具体的な点数は、いつ頃決まりますか? A. 例年、改定前年の12月頃に全体の改定率(プラス◯%など)が大臣折衝で決まり、年が明けた2月〜3月頃に具体的な点数や算定要件の詳細(中医協の答申)が発表されます。
Q. ホームページ(HP)を持っていないクリニックはどうすればいいですか? A. 経過措置が設けられるケースもありますが、基本的には「ウェブサイトへの掲載」が加算の必須要件化される流れが強まっています。簡易的なものでも構いませんので、自院の公式ホームページを開設し、情報公開できる体制を作っておくことを強くおすすめします。
Q. 365メディカルでは、診療報酬改定に向けてどのようなサポートをしていますか? A. 改定方針に伴う「ホームページの掲載文面の作成・修正」「施設基準や加算に関わる証憑・研修記録の台帳化」「サイバーセキュリティ対策のチェック体制構築」など、診療以外の『管理・証明実務』を丸ごとサポートし、医院長や事務長が安心して診療に集中できる環境を作ります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。実際の診療報酬改定の内容、算定要件、施設基準等にあたっては、必ず厚生労働省や地方厚生局等の最新の公式発表をご確認ください。




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