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病院の7割が赤字時代へ

  • 執筆者の写真: Yuki
    Yuki
  • 6月8日
  • 読了時間: 11分

地域医療を守るために、医療機関がいま向き合うべき経営・制度対応とは



「近くの病院が診療時間を短縮した」

「地域の中核病院が統合・再編されるらしい」

「これまで通っていた医療機関の体制が変わる」


最近、こうしたニュースに不安を感じる方が増えています。


私たちはこれまで、体調が悪くなれば近くの病院やクリニックに行き、必要な医療を受けられることを“当たり前”のように考えてきました。


しかし今、その当たり前を支えてきた医療提供体制が、大きな転換点を迎えています。


背景にあるのは、医療機関の深刻な経営悪化です。人件費、光熱費、医療材料費、設備維持費、システム対応費、サイバーセキュリティ対策費など、医療機関を運営するためのコストは年々上昇しています。一方で、医療機関の主な収入源である診療報酬は、公定価格として国が定めているため、一般企業のように自由に価格転嫁することができません。


つまり医療機関は、物価高・人手不足・制度対応の負担増という厳しい環境の中で、地域医療を維持し続けなければならない状況に置かれています。


本記事では、病院経営の赤字化がなぜ進んでいるのか、診療報酬改定で何が変わるのか、そして医療機関が今後どのような対応を進めるべきなのかを、365メディカルの視点でわかりやすく整理します。



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一般病院の多くが赤字に。地域医療はすでに限界に近づいている


病院経営の悪化は、一部の過疎地や小規模病院だけの問題ではありません。


近年の病院経営調査では、医業利益ベースで赤字となる病院が7割前後に達していることが示されています。病院の収益構造は、診療報酬によって大きく左右されますが、現場ではそれ以上のスピードで人件費や物価が上昇しています。


特に病院経営を圧迫している主な要因は、次のようなものです。


1. 医療従事者の人件費上昇


医師、看護師、薬剤師、歯科衛生士、医療事務、技師、介護職など、医療・介護現場を支える人材の確保はますます難しくなっています。


一般企業でも賃上げが進む中、医療機関も人材を確保するためには賃上げを避けられません。しかし、診療報酬は自由価格ではないため、賃上げ分をそのまま患者負担やサービス価格に反映できるわけではありません。


その結果、必要な人材を確保したくても、経営上の余力が足りないという医療機関が増えています。


2. 光熱費・材料費・委託費の上昇


病院やクリニックは、電気・ガス・水道を大量に使用します。空調、医療機器、検査機器、滅菌設備、照明、電子カルテ、サーバー、医療DX関連機器など、医療機関の運営には多くのエネルギーが必要です。


さらに、医療材料、薬剤、衛生用品、検査関連資材、感染対策用品、給食材料、清掃委託費、警備費、保守費なども上昇しています。


一般企業であれば価格改定で対応できる部分もありますが、保険診療を中心とする医療機関では、価格転嫁の自由度が極めて低いのが現実です。


3. 医療DX・制度対応にかかる新たなコスト


医療DXの推進により、医療機関には新たな対応が次々と求められています。


たとえば、オンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービス、医療情報システムの安全管理、サイバーセキュリティ対策、施設基準のWEB掲載、院内掲示、届出書類管理、証跡管理などです。


これらは医療の質や安全性を高めるために重要な取り組みですが、現場から見ると、システム導入費、運用費、職員教育、マニュアル整備、届出対応、監査対応など、多くの実務負担を伴います。


特に中小病院やクリニックでは、院長や事務長、限られた事務スタッフが通常業務と並行して対応しなければならず、経営面だけでなく業務面でも大きな負担になっています。


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福岡県内でも進む病院再編。これは“遠い地域の話”ではない


地域医療の再編は、すでに具体的な形で現れています。


福岡県内でも、大学附属病院の分院や地域の中核的医療機関について、機能統合や集約化の方針が公表されています。


たとえば、久留米大学医療センターについては、久留米大学病院への機能統合が公表されています。また、産業医科大学若松病院についても、産業医科大学病院への医療機能集約化が示されています。


これらは単なる「一つの病院の閉鎖・縮小」という話ではありません。


地域で救急、外来、入院、専門診療、リハビリ、在宅支援などを支えてきた医療機関の機能が変わるということは、患者の受診動線、救急搬送、紹介・逆紹介、地域包括ケア、医師派遣、医療人材の配置にも影響します。


つまり、病院経営の問題は、医療機関だけの問題ではなく、地域全体の生活インフラの問題なのです。


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令和8年度診療報酬改定は“救済策”になるのか


こうした医療機関の経営悪化を受け、令和8年度診療報酬改定では、物価高騰や賃上げへの対応が大きなテーマとなっています。


診療報酬本体の改定率はプラス3.09%とされ、3%を超える本体プラス改定は久しぶりの高い水準です。


この改定には、医療従事者の賃上げ、物価高騰への対応、地域医療の維持という狙いがあります。


しかし、ここで注意しなければならないのは、診療報酬が上がったからといって、すべての医療機関の経営がすぐに改善するわけではないという点です。


診療報酬改定では、どの項目が上がるのか、どの施設基準を満たす必要があるのか、届出が必要なのか、実績管理が必要なのか、患者への説明やWEB掲載が必要なのかによって、医療機関ごとの影響は大きく変わります。


つまり、改定内容を正しく理解し、自院に関係する項目を洗い出し、必要な届出・掲示・記録・運用を整えなければ、せっかく評価された報酬を算定できない可能性もあるのです。


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患者負担も増える。だからこそ説明責任が重要になる


診療報酬が引き上げられると、患者の窓口負担にも影響が出ます。


令和8年度改定では、再診料の引き上げや物価対応料の新設、ベースアップ評価料、入院時の食費・光熱水費の見直しなどが行われています。


患者から見ると、1回あたりの負担増は数十円から数百円程度に見えるかもしれません。しかし、慢性疾患で定期通院している方、複数の医療機関に通っている方、長期入院が必要な方にとっては、継続的な負担増になります。


ここで重要になるのが、医療機関側の説明責任です。


「なぜ負担が増えるのか」

「どの制度改定によるものなのか」

「医療従事者の賃上げや物価対応とどう関係しているのか」

「保険外負担やキャンセル料はどのようなルールで運用しているのか」


こうした情報を、院内掲示やホームページでわかりやすく示すことが、今後ますます重要になります。


患者負担が増える時代だからこそ、医療機関には“透明性のある情報提供”が求められます。


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キャンセル料の扱いは慎重に。自由に徴収できるわけではない


令和8年度診療報酬改定をめぐっては、予約キャンセル料に関する話題も注目されています。


医療機関、とくに歯科医院や予約制クリニックでは、無断キャンセルや直前キャンセルが経営に与える影響は非常に大きいものです。


歯科医院では30分から1時間単位で診療枠を確保し、歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、受付、技工物、材料、チェアタイムを準備しています。その枠が直前に空いてしまうと、単なる「空き時間」ではなく、売上機会、人件費、材料準備、他の患者の予約機会を同時に失うことになります。


そのため、キャンセル料を設定したいという医療機関は少なくありません。


しかし、医療機関がキャンセル料を徴収する場合には、制度上・運用上の整理が必要です。


特に保険診療との関係、予約料の取扱い、患者への事前説明、同意取得、院内掲示、ホームページ掲載、徴収条件、例外規定、トラブル時の対応などを曖昧にしたまま運用すると、患者トラブルや行政上の指摘につながる可能性があります。


キャンセル料は「取れるかどうか」だけで判断するのではなく、「どのようなルールで、どのように説明し、どのように記録を残すか」まで設計する必要があります。


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医療機関に求められるのは、算定力・掲示力・証跡管理力


これからの医療機関経営では、単に診療を行うだけでは不十分です。


診療報酬改定、医療DX、施設基準、WEB掲載、院内掲示、保険外負担、キャンセルポリシー、職員賃上げ、医療安全、サイバーセキュリティなど、多くの制度対応を同時に管理する必要があります。


特に重要になるのは、次の3つの力です。


1. 算定力


自院が算定できる項目を正しく把握し、施設基準を満たし、必要な届出を行い、実際の運用に落とし込む力です。


診療報酬は、制度上認められていても、届出や実績、記録、掲示が不十分であれば算定できない場合があります。


「知っていたけれど対応できていない」

「算定できるはずなのに届出していない」

「届出したが運用記録が残っていない」


こうした状態は、医療機関にとって大きな機会損失になります。


2. 掲示力


院内掲示やホームページ掲載を通じて、患者や地域に必要な情報をわかりやすく伝える力です。


令和8年度改定では、施設基準や医療DX体制、保険外負担、診療体制などについて、ホームページ掲載や情報公開の重要性がさらに高まっています。


医療機関のホームページは、単なる集患ツールではなく、制度対応・患者説明・透明性確保のための重要なインフラになりつつあります。


3. 証跡管理力


届出書類、掲示内容、WEB掲載内容、更新履歴、患者説明、職員研修、点検記録などを、いつ・誰が・何を行ったのか管理する力です。


これからの医療機関には、「やっています」だけでなく、「実施したことを証明できる」体制が求められます。


監査、個別指導、施設基準確認、行政対応、患者トラブル対応において、証跡管理はますます重要になります。


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365メディカルが支援できること


365メディカルでは、医療機関・歯科医院・薬局・介護事業所に向けて、診療報酬改定、医療DX、施設基準、WEB掲載、証跡管理、バックオフィス業務の支援を行っています。


特に、令和8年度診療報酬改定に関連して、次のような課題を抱える医療機関を支援します。


- 自院に関係する改定項目を整理したい

- 施設基準の届出漏れを防ぎたい

- 院内掲示・WEB掲載を整備したい

- 保険外負担やキャンセルポリシーを整理したい

- 医療DX関連の掲示・運用を整えたい

- 証跡管理を仕組み化したい

- 院長や事務長の制度対応業務を減らしたい

- ホームページを持っていないがWEB掲載に対応したい

- 既存ホームページに制度対応ページを追加したい


医療機関にとって、制度対応は「やらなければならない業務」である一方、本来の診療や患者対応に使うべき時間を奪う負担にもなっています。


だからこそ、365メディカルは、医療機関が本来の医療に集中できるよう、制度対応・WEB掲載・証跡管理を支える仕組みづくりを進めています。


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まとめ:病院の赤字問題は、医療機関だけの問題ではない


病院の赤字化は、単なる経営問題ではありません。


それは、地域に救急医療が残るのか、近くで入院できる病院が維持されるのか、高齢者が安心して暮らせる地域であり続けられるのかという、私たち一人ひとりの生活に直結する問題です。


診療報酬改定によって一定の対応は進められていますが、物価高、人件費上昇、医療DX対応、制度対応の負担は今後も続きます。


これからの医療機関には、診療の質だけでなく、経営管理、制度対応、情報公開、証跡管理の力が求められます。


「算定できるものを、確実に算定する」

「掲示すべき情報を、正しく掲示する」

「対応した証跡を、きちんと残す」

「患者にわかりやすく説明できる体制を整える」


これらは、地域医療を守るための重要な経営基盤です。


365メディカルは、医療機関の皆さまが制度改定に振り回されるのではなく、制度を正しく理解し、経営改善と地域医療の持続性につなげられるよう支援していきます。


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365メディカルにご相談ください


令和8年度診療報酬改定、施設基準、WEB掲載、院内掲示、保険外負担、キャンセルポリシー、医療DX対応、証跡管理でお困りの医療機関は、365メディカルまでお気軽にご相談ください。


制度対応を“その場しのぎ”で終わらせず、医療機関の経営を支える仕組みに変えていくことが、これからの地域医療を守る第一歩です。


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引用・参考情報


- 厚生労働省:診療報酬改定関連資料

- 中央社会保険医療協議会資料

- 病院団体による病院経営調査資料

- 久留米大学 医療センターの病床再編及び大学病院との統合に関する公表資料

- 産業医科大学 若松病院の大学病院への集約化に関する公表資料

- 令和8年度診療報酬改定関連情報


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免責事項


本記事は、公開情報をもとに365メディカルが一般的な情報提供を目的として作成したものです。診療報酬の算定可否、施設基準の届出、保険外負担、キャンセル料の運用、WEB掲載義務等については、医療機関の種別、届出状況、地域、個別事情により取扱いが異なる場合があります。実際の運用にあたっては、厚生労働省、地方厚生局、自治体、顧問税理士・社労士・弁護士等の専門家に確認のうえ対応してください。

 
 
 

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