

MSO・DSOは米国で発展したモデルですが、そのまま日本に持ち込むことはできません。日本では、医療法・医師法をはじめとする制度のもとで、診療の主体、経営への関与の仕方、広告・個人情報・労務などのルールが厳格に整理されており、「スピードや効率」だけを目的にすると、制度趣旨と衝突するリスクがあります。だからこそ私たちは、米国型の模倣ではなく、日本の規制・法律・運用ルールを前提に“合法に続く形”へ再設計した日本版MSO・DSOを目指します。
私たちが考える日本版MSOは、診療判断や医療の裁量に介入せず、院内の非診療領域(労務・規程整備・情報管理・安全管理・DX運用など)を「仕組み」にして支える役割です。院長先生が抱えがちな“診療+経営+規制対応”の二刀流を、分業できるところは分業し、属人化を減らしながら、監査や指導に対しても「やっています」ではなく「体制と証跡(記録)を出せます」という状態をつくります。目的は経営代行ではなく、医院が長く安全に続くための経営インフラの設計です。
日本版DSOは、その考え方を複数拠点・グループ運営に拡張したものです。医院が増えるほど、運用差・教育差・記録散在が起き、同じトラブルが繰り返されます。そこで、診療の独立性を守りながら、非診療領域を標準化・共同化し、グループ全体を「同じ型」で回せる状態をつくる。これが私たちのDSOです。共同化は単なるコスト削減ではなく、品質と説明責任を高め、院長交代やスタッフ入替があっても“継続できる”体質にするための投資だと位置づけます。
この再設計の中核に置くのが、証跡(コンプライアンス)レジストリ基盤です。規程・手順・周知・研修・点検・是正の履歴を、散らさず、最新版で、引き継げる形で管理し、必要なときに必要な範囲だけ提示できる状態をつくります。日本の医療では、取り組みの実態そのもの以上に、「説明できる体制」と「改ざんされにくい記録」が信頼と継続性を左右します。私たちはこの“見えない基盤”を最初に整え、その上でDXや標準化、共同化を段階的に積み上げます。
導入は、いきなり大規模に進めません。まず現状診断で「何が散らばり、何が属人化しているか」を可視化し、次にMVP(最初に整える台帳と出力テンプレ)で“出せる状態”を作ります。その後、院内定着と改善を回しながら、拠点拡大や共同化の範囲(教育・購買・バックオフィス等)を段階的に広げます。制度や監査の要求は変わる前提で、変化に耐える設計にすることが、結果として現場を守り、院長先生の負担を減らします。
私たちが目指すのは、医療の裁量をビジネスに置き換えることではありません。医療の独立性と制度趣旨を守りながら、現場が疲弊しない運営を仕組みで支えること。そして、患者さんに選ばれ続ける品質と信頼を、個人の頑張りではなく“再現性ある運営”として成立させることです。日本のルールに沿って、合法に、誠実に、長く続く——それが「日本版MSO・DSO」の考え方です。
1.医療DXが実装前提の時代へ
オンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ情報共有など、国として医療DXを段階的に進めています。現場は「診療」だけでなく、IT・セキュリティ・運用整備まで抱える構造になりました。
医療DXは"努力義務"から"実装前提"に変わっており、医療機関には新たな対応が求められています。しかし、これらのシステム導入や運用には専門知識が必要で、単独の医院では負担が大きすぎます。
MSO/DSOの役割 導入・運用・教育・監査対応を共通基盤化することで、医院側の負担を大幅に軽減できます。
2.人材不足と高齢化の深刻化

医療従事者の課題
ニーズ増加、地域偏在、離職の課題が指摘されています。人材確保や復職支援が喫緊の課題となっています。
医院の倒産・休廃業
医院の倒産・休廃業が増加しており、院長の高齢化も進んでいます。継承や運営の仕組み化が重要です。
院内運営の限界
人材不足と高齢化により、院内の"回し方"が限界に近づいています。新しい運営モデルが必要です。
MSO/DSOで採用・教育・労務・購買を共同化 することで、「人が足りない」という課題を補うことができます。複数の医院で人材やノウハウを共有することで、効率的な運営が可能になります。
3.働き方改革とコンプライアンス
医師の働き方改革では、長時間労働医師への面接指導や休息確保など健康確保措置が制度化され、管理の重要性が増しています。医療機関には、より厳格な記録と統制が求められるようになりました。
勤怠管理
労働時間の正確な記録と管理が必須となっています。
シフト調整
適切な休息確保のための計画的なシフト管理が必要です。
記録・報告
委員会議事録や研修記録など、各種記録の整備が求められます。
日本型MSO/DSOの特徴
日本で現実的に求められるのは、米国の"買収型"というより、診療と非診療を明確に分ける役割分担モデルです。
診療領域
医院(医師/歯科医師)が担当
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診療・診察
非診療領域
MSO/DSOが標準化して支援
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DX基盤の整備
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人材の採用・教育
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運営管理
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法令対応
診療の外側を産業化する意義
日本型MSO/DSOは「診療の外側」を産業化することで、医療機関の持続可能な運営を支援します。これは単なる業務委託ではなく、医療業界全体の構造改革を意味します。

DX基盤の構築
予約から会計、記録まで一貫したデジタル基盤を提供します

共同バックオフィス
採用・労務・教育を共同化し、効率的な人材管理を実現します。

マーケティング支援
相談から適切な医院への送患導線を整備します。
