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ホームページがない歯科医院は「WEB掲示義務」の対象外?令和8年度診療報酬改定を正しく整理

  • 執筆者の写真: Yuki
    Yuki
  • 2 日前
  • 読了時間: 12分

令和8年度診療報酬改定を受けて、歯科医院からこんな質問が増えています。

「うちはホームページがないのですが、WEB掲示のために新しくホームページを作らないといけないのでしょうか?」

結論からいうと、一般的な院内掲示事項をWEBにも掲載するルールについては、自ら管理するホームページ等を持っていない保険医療機関は例外とされています。

つまり、

WEB掲示義務がある = すべての歯科医院がホームページを新設しなければならない

ということではありません。

ただし、ここで注意したいのが、

ホームページがないから、院内掲示まで不要になるわけではない

という点です。

さらに、診療報酬の中には、一般的な掲示ルールとは別に、個別の施設基準や算定要件としてWEB上での公表を求めるものもあります。

この記事では、令和8年度診療報酬改定における歯科医院の「院内掲示」と「WEB掲示」の違いを、実務目線で整理します。


まず結論|ホームページがなくても、原則として新設までは求められていない


厚生労働省の令和8年3月27日通知「保医発0327第6号」では、院内掲示事項について原則としてウェブサイトへの掲載を求めています。

一方で、

「自ら管理するホームページ等を有しない保険医療機関については、この限りではない」

とされています。

そのため、一般的なWEB掲示ルールについては、自院で管理するホームページ等を持っていない歯科医院が、WEB掲示対応だけを目的として新しくホームページを開設することまで、一律に求められているわけではありません。

ここは非常に重要なポイントです。

ホームページがない場合

  • 院内掲示は必要

  • 一般的なWEB掲載は例外になり得る

  • WEB掲示のためだけにHPを新設することまでは原則求められない

ホームページがある場合

  • 院内掲示を整備する

  • 必要な掲示事項をWEBにも掲載する

  • 施設基準の届出内容とホームページの表示を一致させる

という整理になります。


1.令和8年度診療報酬改定で変わった「WEB掲示」

令和8年度診療報酬改定では、患者への情報提供をより分かりやすくする観点から、院内で掲示する事項について、原則としてウェブサイトにも掲載するという取扱いが明確化されています。

対象には、例えば次のようなものがあります。

  • 地方厚生(支)局長への届出事項

  • 明細書の発行状況

  • 保険外負担に関する事項

  • 入院基本料に関する事項

  • DPC対象病院等に関する事項

歯科診療所で特に確認しておきたいのは、

「施設基準」「明細書」「保険外負担」

の3つです。

とくに施設基準については、単に、

「○○加算を届け出ています」

と名称だけを並べればよいとは限りません。

その届出によって、患者がどのような診療体制やサービスを受けられるのかまで分かるように掲示することが重要です。


2.ホームページがない歯科医院はどうすればいい?

自院で管理するホームページ等がない場合、一般的なWEB掲示事項のためだけにホームページを新設することまでは、原則として求められていません。

しかし、院内掲示は別です。

ホームページの有無にかかわらず、自院に該当する掲示事項は院内の見やすい場所に掲示する必要があります。

例えば、

  • 明細書の発行に関する事項

  • 地方厚生(支)局へ届け出ている施設基準

  • 保険外負担に関する項目・金額

  • 個別の施設基準で掲示が求められている事項

などです。

したがって、

ホームページなし = 掲示義務なし

ではありません。

正しくは、

ホームページなし = 一般的なWEB掲載については例外になり得る。ただし、院内掲示は必要

と理解する必要があります。


3.「ホームページがない」とはどこまでを指す?

実務上、意外と判断に迷うのがこの点です。

厚生労働省通知では、単に「ホームページを持っていない」とは書かれていません。

ポイントとなるのは、

「自ら管理するホームページ等を有しない」

という表現です。

つまり、インターネット上に医院情報が載っているかどうかだけでは判断できません。

代表的なケース

歯科医院の状況

WEB掲載の考え方

自院の公式ホームページがない

一般的なWEB掲載義務の例外になり得る

電話帳・口コミサイトだけに掲載

直ちに自院管理サイトとはいえない

歯科予約ポータルだけに掲載

自院が管理できる範囲を確認

SNSのみ運用

「ホームページ等」に該当するか個別確認を推奨

医療法人本部サイトに医院ページがある

法人・医院が管理できるなら対象となる可能性

制作会社がHPを更新している

外注しているだけで対象外とは限らない

Googleビジネスプロフィールのみ

一般的な自院ホームページとは性質が異なるため確認が必要

重要なのは、

「誰が掲載内容を決め、誰が更新を管理できるのか」

です。

第三者が運営する予約サイトや口コミサイトに医院情報が掲載されているだけで、「自ら管理するホームページ等を有している」と直ちに判断できるとは限りません。

逆に、自院ホームページの制作・更新作業を制作会社に外注していても、医院側が掲載内容を決定し、変更を依頼できるのであれば、単純に「自院管理のホームページではない」ともいえません。

判断が難しい場合は、管轄の地方厚生(支)局等への確認をおすすめします。


4.ホームページがある歯科医院は、まず「届出済み施設基準」を確認

自院で管理するホームページ等がある場合には、院内掲示事項についてWEB掲載も確認する必要があります。

ここで最初にやるべきことは、

現在、自院がどの施設基準を届け出ているかを一覧化すること

です。

厚生労働省通知では、地方厚生(支)局長へ届け出る事項について、院内掲示するとともに、原則としてウェブサイトにも掲載する取扱いが示されています。

そのため、

「自院のホームページはあるけれど、施設基準ページは数年前から更新していない」

という医院は注意が必要です。

特に確認したいのは、

  • 新しく届け出た施設基準が反映されているか

  • 廃止された加算が残っていないか

  • 名称変更された施設基準が旧名称のままになっていないか

  • 院内掲示とWEB掲示の内容が一致しているか

という点です。


5.「ホームページがないから全部免除」ではない

ここは特に重要です。

一般的な院内掲示事項については、自ら管理するホームページ等を持っていない保険医療機関はWEB掲載の例外になり得ます。

しかし、診療報酬には、個別の施設基準や算定要件として、WEBサイト等での掲載・公表を求めるものがあります。

そのため、

「ホームページがないから、WEBに関する要件は全部関係ない」

と判断するのは危険です。

算定している、またはこれから算定したい診療報酬について、

その施設基準に独自のWEB公表要件がないか

を確認する必要があります。

実務では、

  • 一般的なWEB掲示義務

  • 届出済み施設基準に伴う掲示

  • 個別の施設基準で求められる公表

  • 算定要件として求められるWEB掲載

を分けて考えることが重要です。


6.令和8年度は医療DX関連の掲示も要チェック

令和8年度診療報酬改定では、医療DX関連の評価体系も見直されています。

従来の、

医療DX推進体制整備加算医療情報取得加算

は見直され、新しい電子的診療情報連携体制整備加算の体系へ移行しています。

歯科では、

  • 電子的歯科診療情報連携体制整備加算1

  • 電子的歯科診療情報連携体制整備加算2

が新設されています。

このため、令和6年度の院内掲示やホームページがそのまま残っている場合には注意が必要です。

たとえば、ホームページに今も、

「当院は医療DX推進体制整備加算を届け出ています」

という表記が残っている場合、現在の届出状況と一致しているか確認する必要があります。

令和8年度改定では、施設基準そのものだけではなく、

「届出内容と、院内・WEB上の表示内容が一致しているか」

という視点で確認することが重要です。


7.歯科医院が今すぐ確認したい3ステップ

WEB掲示対応は、ホームページだけを見るのではなく、施設基準から逆算して確認すると整理しやすくなります。

STEP1|現在の施設基準を一覧化する

まず、地方厚生(支)局へ現在届け出ている施設基準を整理します。

過去に届け出たものではなく、令和8年度時点で現在有効な届出を確認することが重要です。

STEP2|院内掲示・WEB掲載・個別公表要件を確認する

各施設基準について、

  • 院内掲示が必要か

  • WEB掲載が必要か

  • HPなしの例外があるか

  • 個別の公表要件があるか

を確認します。

STEP3|院内掲示とホームページを照合する

最後に、

厚生局への届出院内掲示WEB掲示

の3つが一致しているか確認します。

特に注意したいのが、

  • 厚生局へ届出済みなのにHPへ反映されていない

  • 廃止・変更された施設基準が残っている

  • 院内掲示とWEB上の表記が違う

  • 料金や保険外負担が古い

  • 加算名称だけが書かれ、患者向けの説明がない

といったケースです。


8.歯科医院の状況別|WEB掲示対応早見表

自院の状況

基本的な対応

HPなし・一般的な掲示事項のみ

院内掲示を整備。一般的なWEB掲載は例外になり得る

自院管理HPあり

必要な院内掲示事項をWEBにも掲載

予約サイト・口コミサイト等のみ

自ら管理するサイトに該当するか確認

個別のWEB公表要件がある施設基準を算定

個別の施設基準・算定要件を確認

新しくHPを開設した

WEB掲示すべき事項を整理して掲載

HPはあるが数年間更新していない

令和8年度の届出内容と照合して更新


9.本当に大変なのは「ホームページを作ること」ではなく「更新し続けること」

令和8年度のWEB掲示対応で実務上もっとも負担になるのは、ホームページを作ることそのものではありません。

むしろ問題になるのは、

継続的な更新管理

です。

例えば、

「何を載せればいいのか分からない」

「施設基準を変更したが、HPが古いまま」

「制作会社に依頼しないと修正できない」

「院内掲示とWEB掲示が一致していない」

「診療報酬改定のたびに全部確認するのが大変」

といった問題です。

診療報酬改定では、施設基準が、

新設・統合・廃止・名称変更

されます。

そのためWEB掲示も、

一度作れば終わり

ではありません。

現在の届出状況と連動して、継続的に更新する必要があります。


10.365メディカルが考える「WEB掲示管理」

365メディカルでは、令和8年度診療報酬改定への対応で重要なのは、単なるホームページ制作ではないと考えています。

必要なのは、

「自院に必要な掲示事項を把握し、施設基準・院内掲示・WEB掲示を継続的に一致させる仕組み」

です。

例えば、

施設基準を新しく届け出る↓必要な院内掲示を変更する↓必要なWEB掲示を変更する↓施設基準が変更されたら再度更新する

という管理が必要になります。

施設基準を多数届け出ている医療機関では、Excel・紙・ホームページ制作会社への個別依頼だけで、すべてを正確に管理し続けることは簡単ではありません。

だからこそ、WEB掲示は「制作」の問題ではなく、

施設基準情報を継続管理する業務

として考える必要があります。


まとめ|「ホームページなし=HP新設必須」ではありません

令和8年度診療報酬改定における歯科医院のWEB掲示について、最も重要なのは次の点です。

自ら管理するホームページ等を有しない保険医療機関は、一般的な院内掲示事項をWEBにも掲載する原則について例外とされています。

したがって、

WEB掲示義務に対応するためだけに、すべての歯科医院が新しくホームページを開設しなければならないわけではありません。

しかし、ホームページがなくても院内掲示は必要です。

さらに、個別の施設基準や算定要件でWEB上の公表が求められている場合には、その要件を個別に確認する必要があります。

令和8年度改定への対応では、

  1. 現在届け出ている施設基準

  2. 院内掲示が必要な事項

  3. WEB掲載が必要な事項

  4. 個別の算定要件として公表が必要な事項

  5. HPなしの場合の例外規定の有無

を分けて確認することが重要です。

「ホームページがあるか、ないか」だけで判断するのではなく、自院の施設基準から必要な掲示を逆算する。

これが、令和8年度のWEB掲示対応の基本です。


365メディカル「医療機関WEB掲示サービス」

365メディカルでは、令和8年度診療報酬改定に対応した医療機関WEB掲示サービスを提供しています。

こんなお悩みはありませんか?

  • 自院が何をWEB掲載すればいいのか分からない

  • 令和8年度改定に対応できているか確認したい

  • 施設基準とWEB掲示をまとめて管理したい

  • ホームページ制作会社への修正依頼が負担になっている

  • 院内掲示とWEB掲示が一致しているか不安

365メディカルでは、単にWEBページを作るだけではなく、施設基準・院内掲示・WEB掲示を継続的に管理する仕組みづくりを支援しています。

令和8年度改定を機に、単なる「掲示対応」から「施設基準・掲示情報の継続管理」へ移行することをおすすめします。


参考・根拠資料

  1. 厚生労働省「『療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等』等の実施上の留意事項について」の一部改正について(令和8年3月27日 保医発0327第6号)

  2. 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」

  3. 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】」

  4. 関東信越厚生局「基本診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定)」


用語解説

院内掲示

療養担当規則や施設基準等に基づき、患者から見やすい場所に診療体制、施設基準、費用等を掲示することです。

WEB掲示

院内掲示事項等を、自院が管理するホームページ等に掲載し、患者がオンラインでも確認できる状態にすることです。

施設基準

診療報酬の特定の点数を算定するために、医療機関が満たす必要がある人員配置、設備、診療体制等の基準です。項目によって地方厚生(支)局への届出が必要になります。

電子的歯科診療情報連携体制整備加算

令和8年度診療報酬改定で新設された、歯科における医療DX・診療情報連携体制を評価する加算です。令和6年度の医療DX推進体制整備加算を届け出ていた場合でも、令和8年6月以降、新しい加算を算定する場合には新たな届出が必要となります。


免責事項

本記事は、令和8年度診療報酬改定に関する厚生労働省通知等をもとに、2026年8月時点の情報を一般向けに整理したものです。

個別の医療機関における施設基準の届出、算定可否、院内掲示・WEB掲載の要否を保証するものではありません。

実際の対応にあたっては、最新の告示・通知・疑義解釈等をご確認いただき、不明な場合は管轄の地方厚生(支)局等へご確認ください。

 
 
 

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