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臨時調査に診療所も対象|2027年度の診療報酬調整に向けてクリニックが準備すること

執筆者の写真: Yuki
Yuki
3 日前
読了時間: 4分

医療業界で話題となっている2027年度の診療報酬「期中調整」。ニュースなどで「12月に結果が出ても遅すぎる」といった声が上がっていますが、なぜその時期が問題視されているのでしょうか。また、これは病院だけでなく一般診療所(クリニック)の経営にも大きく関わるテーマです。


本稿では、2027年度の期中調整をめぐる議論の背景と臨時調査の仕組み、そして診療所が今から取り組んでおくべき実務上の準備について分かりやすく整理します。



■ なぜ今「2027年度の調整」が議論されているのか


通常、診療報酬改定は2年に1度行われますが、2026年度改定の決定時に「物価や賃金が想定を超えて著しく変動した場合、2027年度の予算編成において加減算を含むさらなる調整を行う」という合意(大臣折衝事項)が交わされました。


つまり、2027年度の調整は突発的な提案ではなく、あらかじめ条件付きで組み込まれていた既定のプロセスなのです。現在論点となっている臨時調査は、この調整の必要性や規模を判断するための実態把握として実施されています。


2027年度をめぐる動きは、主に以下の3つの要素に分かれています。


1. すでに確定している改定内容(2026年度からの段階的な引き上げなど)

2. 条件に応じて実施される「加減算調整」(今回の議論の核)

3. 医療団体などが国へ求めている追加の補助金や期中改定要望


留意したいのは、調整が「加減算」と定義されている点です。結果次第では必ずしも引き上げ(加算)ばかりではなく、据え置きや抑制(減算)の可能性も制度上含まれていることを認識しておく必要があります。



■ 日病協が主張する「12月では遅い」の真意とは?


日本病院団体協議会(日病協)などの医療側が「12月の結果報告では遅い」と危惧する最大の理由は、国の予算編成スケジュールにあります。


来年度予算の最終決定に向けた「大臣折衝」は、例年12月下旬に行われます。仮に中医協への臨時調査結果の報告が12月にずれ込んだ場合、調査データをもとに診療側・支払側が十分な議論を交わす時間がわずか数週間しか残りません。


11月中にデータが揃えば約1ヶ月間の議論の余裕が生まれますが、12月に入ってしまうと交渉の時間が圧倒的に不足し、医療現場の実情を十分に予算に反映できなくなる恐れがあるのです。これが「12月では遅い」と言われる構造的な理由です。



■ 「臨時調査」と「医療経済実態調査」の違い


今回の判断材料となる「臨時調査」は、2年に一度行われる定期的な「医療経済実態調査」とは性質が異なります。


臨時調査は、改定前後(2025年と2026年の6〜9月)の短期間の経営状況を比較し、速報性を重視して項目を限定した上で実施されます。全国の病院や一般診療所、薬局などから約12,000施設が抽出されて行われます。自院が対象施設に選ばれた場合は、正確な回答を期日までに提出することが求められます。



■ クリニック経営の現状と現場に求められる対応


病院団体の調査によれば、直近の改定によって経営状況がやや持ち直した施設がある一方で、依然として半数近くの医療機関が赤字を抱えています。賃上げ対応や医療材料費の高騰が経営を大きく圧迫しており、診療所においても減益傾向を訴える声は少なくありません。


国の議論や制度の決定を待つ間、各クリニックが今すぐ取り組める実務的な準備としては以下のようなポイントが挙げられます。


1. 調査対象になっていないかの確認

抽出案内が届いている場合、提出期限に遅れないよう担当者や回答手順を即座に整理しましょう。


2. 改定前後の損益状況の可視化

2025年6〜9月と2026年6〜9月の月次データを並べ、収入と支出の動向を自院の手元で比較できるようにしておきます。


3. コスト増要因の特定

人件費、材料費、光熱費、委託費などのうち、どの費用がどの程度増加しているかを分類・分析します。


4. ベースアップ評価料の状況点検

算定要件を満たしているか、今後の引き上げ設計に向けた届出・実績報告に漏れがないかを確認します。


5. 外部パートナーとの情報共有

税理士や社労士、医療事務の委託先と連携し、必要な経営データを速やかに抽出できる体制を整えておくことが大切です。



■ まとめ:自院の経営数値を把握し変化に備えよう


「時期」をめぐる議論の本質は、医療現場の厳しい実情をいかに客観的なデータとして国に提示できるかという点にあります。


制度の行方を注視すると同時に、自院の改定前後の収支変化をしっかりと数値化しておくことは、今後の適切な経営判断を下すうえで極めて重要です。


365メディカルでは、診療報酬改定への対応をはじめ、ベースアップ評価料の届出・実績管理、月次収支の可視化、医療DXを活用した業務効率化まで、クリニック経営を総合的にサポートしています。「自院の数値を整理したい」「改定への対応に不安がある」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 
 
 

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