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【令和8年診療報酬改定・実践編】電子的診療情報連携体制整備加算の届出・算定完全ガイド|加算1〜3の要件チェックとマイナ保険証利用率30%達成の具体策

  • 執筆者の写真: Yuki
    Yuki
  • 3 日前
  • 読了時間: 9分

医療DX / 診療報酬改定 / 実務対応


公開日:2026年4月1日 カテゴリ:医療DX / 診療報酬改定 / 実務対応 一般社団法人 365メディカル

前回の記事では「医療DX推進体制整備加算から電子的診療情報連携体制整備加算への移行の全体像」を解説しました。本記事はその続編・実践編です。



2026年6月1日の算定開始に向け、「自院はどの加算区分を取れるか」「届出に向けて何をいつまでにやるべきか」を、具体的なチェックリストとアクションプランに落とし込んで解説します。前編をまだ読んでいない方は、先にそちらをご覧ください。


目次

  1. 加算1〜3の点数・要件を改めて整理する

  2. 自院の加算区分を判定する:施設基準チェックリスト

  3. マイナ保険証利用率30%を達成するための現場施策

  4. 届出スケジュールと5月7日締め切りへの対応

  5. 電子カルテ情報共有サービス(CLINS)の経過措置終了後の対応

  6. 入院料加算(加算1:160点・加算2:80点)対応のポイント

  7. よくある質問 Q&A


1. 加算1〜3の点数・要件を改めて整理する


令和8年6月1日より、医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算は廃止され、「電子的診療情報連携体制整備加算」に一本化されます。外来(初診・再診)と入院の両軸で評価体系が再編されました。

最大のポイントは評価軸の転換です。「ツールを導入しているか(体制整備)」から「ツールを実際に活用して情報連携できているか(実績)」へとシフトしており、マイナ保険証の利用率30%以上という数値要件が施設基準に明示的に組み込まれました。

区分

初診(月1回)

再診(月1回)

主な追加要件

加算1

15点

2点

電子処方箋 + 電子カルテ情報共有サービス(CLINS)の両方に対応

加算2

9点

2点

電子処方箋 または CLINSのいずれか一方に対応

加算3

4点

2点

オンライン資格確認体制のみ(電子処方箋・CLINS未導入でも可)

注意:再診の2点は加算1〜3いずれかの届出をしている場合に算定可能。初診・再診ともに算定上限は月1回です。なお「電子的診療情報連携体制整備加算」を算定する場合、「明細書発行体制等加算」は別途算定できません。


2. 自院の加算区分を判定する:施設基準チェックリスト


以下のチェックリストで現状を確認してください。加算3の共通要件(1〜7)をすべて満たした上で、追加要件(8〜10)の充足状況により加算区分が決まります。

チェックボックスをクリックして自院の状況を確認できます。


共通要件(加算3・2・1すべてに必要)

以下の7項目をすべて満たすことが最低条件(加算3)

① オンライン請求を行っていること

② 明細書を患者に無償で交付していること

③ オンライン資格確認(顔認証付きカードリーダー等)を行う体制を有していること

④ 医師がオンライン資格確認等システムを利用して取得した診療情報を、診察室・手術室・処置室等で閲覧・活用できる体制を有していること

マイナ保険証利用率が30%以上であること(※旧加算では「利用促進に向けた取組み」で良かったが、令和8年度改定で数値要件化)

⑥ マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じる体制を有していること

⑦ 医療DX推進の体制に関する事項・質の高い診療を実施するための情報取得・活用方針を、院内掲示および自院ウェブサイトに掲載していること

追加要件(加算2・1に必要)

以下のいずれかを満たすと加算2(9点)、すべて満たすと加算1(15点)

⑧ 電子処方箋の発行体制を有していること(または導入に向けた手続き中の場合も加算2では可)

⑨ 電子カルテ情報共有サービス(CLINS)を活用できる体制を有していること

⑩ 地域医療連携ネットワーク(参加10機関以上・病院2以上・登録患者1,000人以上等)への参加、または診療情報提供料の検査・画像情報提供加算の届出があること(CLINSの代替要件)

加算2(9点)は、電子処方箋・CLINSの「どちらか一方」があれば届出可能です。両方なければ加算3(4点)スタートになりますが、それでも旧加算と比べて収益に大きな差が生じます。段階的なステップアップを計画しましょう。


3. マイナ保険証利用率30%を達成するための現場施策


今改定で最も対応の難易度が上がった要件が「マイナ保険証利用率30%以上」という数値基準です。旧加算では「啓発していること」という体制要件でしたが、実績値が施設基準に直接組み込まれました。

利用率は適用時期の3カ月前のレセプト件数ベースの数値が用いられます。たとえば6月1日算定開始であれば、3月のレセプトベースの利用率が基準となります。現在の自院の利用率をまず確認しましょう(支払基金から毎月通知されるほか、「医療機関等向け総合ポータルサイト」でも確認可能です)。


受付・窓口での具体的な声かけ施策

受付スタッフ全員への声かけスクリプトの統一

「マイナンバーカードをお持ちであれば、保険証の代わりにご利用いただけます。お薬の情報や健診結果も確認できるため、より正確な診療が可能です」など、患者メリットを伝える文言を統一して使用する。

待合室・受付へのポスター・デジタルサイネージ設置

「転院時の情報共有がスムーズになる」「緊急時でも医師が正確な情報で対応できる」など患者目線のメリットを視覚化する。厚生労働省や支払基金が提供する無料ポスター素材も活用できる。

予約確認メール・リマインドへの案内文追加

「ご来院の際はマイナンバーカードをお持ちください」の一文を、予約確認メールや前日リマインドに追加する。

小児科特例の確認

小児科外来診療料を算定しており、前年の延外来患者のうち6歳未満が3割以上の医療機関については、利用率要件が緩和される特例があります。自院が対象かどうかを確認しましょう。


4. 届出スケジュールと5月7日締め切りへの対応

令和8年6月1日から電子的診療情報連携体制整備加算を算定するためには、地方厚生局への届出が必要です。

日程

対応事項

2026年3月下旬

告示・通知公布。届出様式の確定版が示される

2026年4月〜5月初旬

届出様式の入手・記入、施設基準の充足確認、届出区分(加算1〜3)の選定

2026年5月7日

6月1日算定開始の場合の届出締め切り(6月1日〜6月1日)

2026年6月1日

電子的診療情報連携体制整備加算の算定開始。旧加算は5月31日で廃止

重要:旧・医療DX推進体制整備加算の届出は自動的に新加算に移行されません。加算1〜3の区分を選択した上で、改めて地方厚生局に届出が必要です。届出が間に合わなかった場合、6月1日からの算定ができなくなるため注意してください。


5. 電子カルテ情報共有サービス(CLINS)の経過措置終了後の対応

CLINSに係る要件については経過措置が設けられています。旧加算の経過措置は2026年5月31日で終了予定であり、新加算の詳細は3月下旬の告示で確定します。告示後に経過措置の有無と期限を必ず確認してください。

ただし「経過措置があるから後回し」という姿勢は危険です。加算1(15点)を算定するためにはCLINSへの対応が要件となっており、未導入の場合は加算2(9点)以下に留まることになります。

電子カルテベンダーへのCLINS対応状況の確認

自院の電子カルテシステムがCLINSに対応しているか、またはいつ対応予定かをベンダーに確認する。クラウド型電子カルテを導入している場合は比較的スムーズな移行が期待できる。

電子カルテ未導入クリニックは標準型電子カルテの動向を注視

国が開発中のクラウドベース標準型電子カルテの本格運用は2026年度中を目途に予定されている。無床診療所での導入コストが大幅に下がる可能性があり、情報収集を継続する。


6. 入院料加算(加算1:160点・加算2:80点)対応のポイント

病院(入院機能を持つ医療機関)にとって今改定の最大のインパクトは入院領域です。新設された入院加算は初日算定で、電子処方箋・CLINSの導入状況とサイバーセキュリティ対策の水準によって区分されます。

区分

点数

主な追加要件

入院加算1

160点(入院初日)

外来加算1の要件 + 医療情報システム安全管理責任者の設置・年1回以上のセキュリティ研修 + オフラインバックアップを含む複数方式でのバックアップ確保 + サイバーインシデント対応BCP策定・年1回以上の訓練

入院加算2

80点(入院初日)

外来加算の要件 + 厚生労働省「安全管理ガイドライン」に準拠した体制 + 専任の医療情報システム安全管理責任者の配置

従来の「診療録管理体制加算1(140点)」に含まれていたサイバーセキュリティ対策要件が入院加算の施設基準に移行統合されています。これに伴い診療録管理体制加算は100点・30点の2区分に簡素化されました。

サイバーセキュリティ要件の自己点検には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(最新版)の確認が不可欠です。特に「専任の医療情報システム安全管理責任者の配置」「オフラインバックアップ」「BCP策定と年1回以上の訓練」は、入院加算1・2両方の共通要件です。


7. よくある質問 Q&A


Q. 現在の医療DX推進体制整備加算の届出はどうなりますか?

自動移行はされません。2026年6月1日以降に算定するためには、新たな加算区分(加算1〜3)を選択した上で改めて地方厚生局に届け出る必要があります。5月7日までに届け出ることで6月1日から算定が可能です。


Q. 電子処方箋もCLINSも未導入ですが加算は取れますか?

取れます。共通要件(①〜⑦)を満たしていれば加算3(初診4点・再診2点)の算定が可能です。ただしその場合でも、マイナ保険証利用率30%以上の達成が共通要件として求められることに注意してください。


Q. マイナ保険証利用率の算定基準となる時期はいつですか?

適用時期の3カ月前のレセプト件数ベースのマイナ保険証利用率が基準となります。支払基金から毎月通知が届くほか、「医療機関等向け総合ポータルサイト」にログインして確認することも可能です。


Q. 調剤薬局も対応が必要ですか?

薬局では「電子的調剤情報連携体制整備加算(8点)」として再編・名称変更されます。最大の変更点は電子処方箋システムによる重複投薬等チェックが義務化される点です。薬局側もシステム対応と業務フロー見直しを早急に進める必要があります。



自院の施設基準対応・届出準備でお困りの場合は、365メディカルへご相談ください。医療DXコンサルタントが貴院の状況に合わせたアドバイスを提供します。


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